Aさんが亡くなり、Aさんには奥さんと2人の子供がいた場合、相続人は誰でしょうか。
この場合には、Aさんの奥さんも相続人となりますし、2人の子供も相続人となります。
では、Aさんに父、母がいた場合には、Aさんの父は相続人となるでしょうか。
この場合には、Aさんの父、母は、相続人になりません。
Aさんに子供がいなかった場合には、父、母は相続人になります。
また、Aさんの奥さんも相続人になります。
では、Aさんに兄弟がいた場合には、Aさんの兄弟は相続人となるでしょうか。
この場合には、Aさんの兄弟は相続人とはなりません。
Aさんに子供がおらず、父、母もいなかった場合には、Aさんの兄弟は相続人になります。
また、Aさんの奥さんも相続人になります。
相続の問題についてはこちら
コラム一覧
≪相続≫勝手に預金を払い戻されていた
遺産分割の際に、使途不明金が問題となることがあります。
使途不明金の問題とは、たとえば相続人の一人が無断で、被相続人の死亡直前に被相続人名義の預貯金を引き出してしまったり、被相続人の死亡後に被相続人名義の預貯金を引き出してしまったりした場合に生じます。
無断で引き出した人が、無断で引き出したことを認めていれば、そのことを前提に、無断引き出しの分を考慮して、遺産分割手続きを進めることができるかもしれません。
無断で引き出した人が、無断引き出しを認めていない場合には、基本的には、遺産分割の調停等の手続きの中で使途不明金の問題を解決するのではなく、不法行為や不当利得として、訴訟をすることとなります。
相続の問題についてはこちら
≪相続≫遺産分割って何?
遺産分割とは、亡くなった人の相続財産を分配する手続をいいます。
亡くなった人の遺言があれば、その遺言によって分配をしますが、遺言がない場合で、相続人で相続財産を分けないといけない場合(相続人が複数いる場合)には、遺産分割が必要となります。
なお、遺言がある場合でも、相続人全員の合意があれば、遺言に拘束されずに相続財産を分配することは可能です。
遺産分割には、相続人間でどのように相続財産を分配するか話し合う遺産分割協議のほか、遺産分割調停、遺産分割審判があります。
これまで相続人間の仲が良くなかった場合には、遺産分割を機に、相続人間における不満が爆発することもあり、遺産分割協議がまとまらないこともあり得ます。
そのような場合には、遺産分割調停を申し立てることも検討すべきでしょう。
遺産分割調停は、相手方の所在地の管轄の家庭裁判所に申立てをすることとなります(相手方が能美市や小松市、加賀市なら小松の裁判所です。)。
遺産分割調停では、家庭裁判所の調停委員を介して、相手方と話をすることとなります。
遺産分割調停が成立しない場合には、遺産分割審判に移行をすることとなります。
遺産分割審判では、家事審判官が判断を下すこととなります。
遺産分割協議、遺産分割調停、遺産分割審判のどの段階でも弁護士に依頼することは可能です。
弁護士という第三者を介することで遺産分割協議が円滑に進む可能性もあります。
遺産分割調停では調停委員を介して話をしなくてはなりませんし、自分にとって有利な証拠を提出する必要があります。
遺産分割の審判では、主張・立証をし、家事審判官を説得する作業が必要であるため、弁護士に依頼をした方がよいといえるでしょう。
相続の問題についてはこちら
≪その他≫寺井町ふるさと夏まつり
能美市寺井町のお祭りである寺井町ふるさと夏祭りに参加しました。
寺井地区公民館前で行われました。
唐揚げとカレーおいしかったです。
寺井中学校吹奏楽部の演奏や寺井・豊美保育園児の発表会もあり、楽しかったです。
来年も参加したいな。
≪不動産≫注意!連帯保証人の責任は重大(建物賃貸借契約)
親戚がアパートを借りることとなり、その連帯保証人になってほしいと頼まれた。
このような方は多々おられるのではないでしょうか。
「金銭を借りる際の連帯保証人ではないから、まあいいか。」と思い、軽い気持ちで連帯保証人となる方もおられます。
ただ、建物借主のために連帯保証人となると、重い責任を負うこととなりかねないので、その点は注意が必要です。
まず、建物賃貸借契約の連帯保証人とは、建物賃貸借契約に関して、借主が貸主に対して負担する債務について、借主と連帯して履行する責任を負うものをいいます。
この連帯保証人は、借主が負担する賃料について、連帯保証責任を負うのはもちろんですが、それだけではなく、借主の原状回復義務などについても連帯保証責任を負います。
賃貸借契約によって借主が貸主に対して負担する一切の債務について、連帯保証責任を負うとされているのです。
「賃貸借契約の期間は2年間だから、連帯保証人の契約期間も2年間ではないのか」
連帯保証人の方からこのような質問をされることがあります。
賃貸借契約の際に、借主のために連帯保証をし、その2年後、貸主と借主は合意をして賃貸借契約を更新したとします。その更新の際、連帯保証人は、更新の契約書に署名・押印をしなかったとします(更新について、知らされていなかったなど)。
このような場合でも、基本的には、更新後の借主の債務について、連帯保証人は債務を負担します。
判例でも、「反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められるような特段の事情がない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解するのが相当」として、保証人は、特段の事情がない限り、更新後の賃貸借契約についても責任を負うこととされています(最判平成9年11月13日)。
そして、連帯保証人の責任は、上記のとおり、借主が貸主に対して負担する債務一切に及ぶので、借主が建物を明け渡すまで生じる賃料債務(賃貸借契約解除後は賃料相当額の損害金の債務)まで及ぶこととなります。
建物賃貸借契約では、借地借家法により借主が相当保護されていることもあり、貸主が借主に建物を明け渡してもらう際、交渉が難航することもしばしば。
そんな中、貸主としては、「連帯保証人から回収すればいいや」として、賃料が滞っているにもかかわらず、借主に建物明渡しを求めないでいると、連帯保証人の知らないうちに、賃料(賃料相当額の損害金)債務が膨れ上がっている、なんてことにもなりまねません。
仮に月額7万円の賃料が3年間滞納されていたとしたら、7万円×36か月なので、252万円の賃料を連帯保証人は、貸主から請求されるなんてことにもなりかねません(しかも、借主が明け渡さない限り、今後も月額7万円ずつ債務が増えていくこととなります)。
連帯保証人としては、借主に「貸主に支払いをしてくれ」と言っていくこととなるでしょうが、借主が経済的に困窮していることも多く、支払いをすることができないこともあります(最悪の場合には、行方不明となってしまっていることもあります)。
連帯保証人になる際には、借主が本当に支払いをすることができる人かどうかを慎重に検討をする必要があります。
また、借主が明け渡すまで賃料(賃料相当額の損害金)がかかる以上、早期に明け渡してもらえるように、借主の滞納が発覚した際には、「建物を明け渡してもらってください」と粘り強く貸主に要求してくことが大切です。
その上で、貸主と減額の交渉をすることとなるでしょう。
≪交通事故≫主婦だけど休業損害がほしい!
交通事故の被害者が主婦であり、仕事をしていなかった場合、休業損害が出るのでしょうか。
まず、休業損害とは何かですが、休業損害とは、交通事故により働けなくなり、収入が減少した場合の損害をいいます。
そうすると、仕事をしていない主婦が被害者の場合、収入が減少したわけではなさそうですから、休業損害が出ないのではないかとも思えます。
しかし、主婦でも休業損害は出ます。
主婦も、交通事故により家事を行うことができなくなったと考えられるので、休業損害が出るのです。
では、その休業損害の算定方法はどのようなものでしょうか。
これは、自賠責基準か弁護士基準かによって異なります。
まず自賠責基準の場合、
5700円×休業した日数
で計算します。
これに対し、弁護士基準の場合、
基礎収入(1日当たりの基礎収入)×休業した日数
で計算します。
専業主婦の場合は、この1日あたりの基礎収入は、「賃金センサス」というものを用いて、計算されるのが一般的です。
だいたい、基礎収入は、約1万円になるので、自賠責基準よりも弁護士基準の方が高いです。
兼業主婦の場合は、実際に自分が働いて得られる1日の収入の方が「賃金センサス」を用いたものよりも高ければ、この実際に自分が働いて得られる1日の収入が、1日当たりの基礎収入となります。
≪離婚≫夫の不倫が許せない!慰謝料はいくら?
夫が不倫(不貞行為)を行った場合には、その夫及び不倫相手である女性を相手に損害賠償請求(慰謝料請求)をすることができます。
この場合には、夫のみに請求をすることもできますし、不倫相手である女性のみに請求をすることも出来ますし、夫と不倫相手である女性双方に請求をすることもできます。
ただ、夫の不倫当時に、夫婦の婚姻関係が破綻していた場合には、妻は損害賠償請求をすることはできません。
また、不倫相手である女性が、夫を独身だと思い込んでいた場合には、妻は、不倫相手である女性を相手には損害賠償請求できない可能性もあります(この場合でも、夫を相手に損害賠償請求をすることはできます)。
夫や不倫相手から妻に支払われる慰謝料の額ですが、50万円から300万円くらいが相場だと思われます。
慰謝料額を算定する際の考慮要素としては以下のものがあります。
1 婚姻期間の長さ
2 不貞により婚姻関係が破綻したかどうか
3 婚姻生活の状況
4 不貞の長さ
5 不貞行為の態様
6 未成年者の子の有無
7 夫か不倫相手かどちらが主導的な立場だったか
8 不倫発覚後の態度
離婚についてはこちら
≪離婚≫財産分与を請求できる期間は限られています!
能美市在住の女性の相談…
「3年ほど前に離婚をしました。離婚をすると財産分与を請求することができると聞きました。離婚をしましたが、相手の住所は分かっています。小松市に住んでいます」
この女性は、財産分与を請求できるでしょうか。
結論からいうと、財産分与を請求するのは困難です(可能性がないわけではありませんが…)。
なぜならば、財産分与を請求できる期間を過ぎてしまっているからです。
まず、財産分与とは何かですが、財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を、離婚に際して分け合うことを言います。
夫婦が結婚してから、離婚をするまでに築いた財産を夫婦で2分の1ずつすることが多いです。
財産としては、土地や建物、預金などが考えられます。
名義が夫婦の一方だけとなっていたとしても、財産分与の対象となる財産であることに変わりはありません。
ただ、夫婦の一方が相続した財産などは、財産分与の対象となる財産ではありません。
財産分与は、夫婦の話し合いで決めれば、それによりますが、話し合いがうまくいかなければ、家庭裁判所の調停等の手続をとることとなるでしょう。
この財産分与ですが、請求できる期間が、離婚してから2年間と決められています。
上記の能美市の女性は、離婚後3年経っていますから、小松市の男性に財産分与を請求するのは困難だということになります。
ただ、小松市の男性が支払いに応じてくれれば、財産分与をもらうことはできます。
財産分与を請求するのであれば、離婚をする前に、話し合うのが良いですし、離婚をしてから請求するとしても、早めに請求するのが大切です。
離婚の問題についてはこちら
≪交通事故≫交通事故を弁護士に頼む理由
交通事故は、予期せずに起こるものであり、誰でも被害者となりえます。
普段から、準備をしているという人も少ないでしょうから、治療などに忙しく、何が何だかわからないうちに、相手の保険会社から送られてくる書類にサインをしてしまうということもあるかもしれません。
保険会社からの書面(免責証書)にサインをしてしまうと、それ以降は、相手の保険会社と損害賠償額の交渉をすることは困難となります。
交通事故を弁護士に依頼をすると、以下のようなメリットがあります。
まず、自分で交渉をする場合と比べて、弁護士に依頼をすると賠償金額の増額が見込めます。
これは、交通事故の損害賠償の基準には、自賠責基準と保険会社基準と弁護士基準がありますが、自分で交渉をする場合には、保険会社基準で賠償額を提案してきます。
これに対し、弁護士に依頼をすると、弁護士基準で計算をすることとなりますが、この弁護士基準は、保険会社基準よりも金額が大きいのです。
そのため、弁護士に依頼をすると、保険会社から得られる金額が大きくなるというメリットがあります。
また、保険会社からの提案は、本来であれば、認められるべき損害項目が抜けていることがあります。
例えば、主婦が被害者の場合、休業損害の項目が抜けてていることがあります(主婦でも休業損害を請求することはできます)。
さらに、保険会社と話をするのは、面倒で苦痛だと思われる方もおられます。
弁護士に依頼をすることで、面倒な保険会社との対応は、弁護士に任せることができます。
弁護士に依頼をすると、このようなメリットがあります。
当事務所では、交通事故の初回法律相談は、無料としております。
お気軽にご相談ください。
交通事故の問題についてはこちら
≪交通事故≫むち打ちによる後遺障害
「後ろから追突されて、首を痛めた」、「追突により、腰を痛めた」という方がおられます。
このような場合、首や腰を治療することになりますが、治療開始から3か月とか6か月とかの期間で、「そろそろ症状固定してください。」と保険会社から言われることがあります。
「症状固定」とは、これ以上治療を継続しても症状が良くならない状態をいいます。
「症状固定」までは、保険会社は治療費を支払ってくれますが、症状固定後は、保険会社は治療費を打ち切り、支払ってはくれません。
被害者の方が、「症状固定に納得ができない。」「保険会社に治療費を出してもらって、治療を継続したい。」という場合には、治療費を出してもらいながら通院できるように交渉をすることとなります。
被害者が、症状固定に納得されている場合、それでも、首の痛み、腰の痛みが残存しているときには、後遺障害の等級認定の申請をする必要があります。
むち打ちの場合で、後遺障害の等級が認定される場合、12級もしくは14級の場合が多いです。
後遺症の等級認定を受けられた場合、後遺障害がない場合の損害項目に加えて、後遺障害による逸失利益と後遺障害慰謝料をも支払ってもらえることとなります。
慰謝料には弁護士基準があり、弁護士が介入し交渉をすることで、損害額を増額させることも可能です。
交通事故の問題についてはこちら
≪離婚≫婚姻費用を請求する
1 婚姻費用とは
夫婦が別居をした後、離婚をするまでの間、子どもを監護している親は、子どもを監護していない親から、生活費をもらえないと生活していけないという場合があります。
また、本当は、別居をしたいけど、別居をすると、自分に一人の稼ぎで、子どもを監護していかないといけなくなり、経済的に不安で別居に踏み切れないという方もおられます。
しかし、夫婦が別居をした後、離婚をするまでの間、子どもを監護している親は、子どもを監護していない親に対し、生活費を請求することができます。
この離婚をするまでの生活費のことを婚姻費用といいます。
この婚姻費用は、離婚後に支払ってもらえる養育費よりも多いのが通常です。
というのは、養育費は、子どもの生活費であるのに対し、婚姻費用は、子どもの生活費のほか自分の生活費も加えられているため、自分の生活費の分だけ多い金額となるのです。
2 婚姻費用を請求する手続
婚姻費用は、お互いの協議により、金額を定まれば、その金額を支払ってもらうことができます。
お互いの協議によっても、金額を定められない場合には、婚姻費用の調停を申し立てることができます。
調停では、調停委員を介して、相手方と話をすることとなります。
調停でも、話し合いがつかない場合には、婚姻費用の審判により、裁判所に婚姻費用を決めてもらこととなります。
3 婚姻費用の金額
婚姻費用についても、養育費と同様に「婚姻費用算定表」があり、調停などの裁判所を用いる手続きでは、この「婚姻費用算定表」を基準に、金額が算定されます。
「婚姻費用算定表」では、子どもの年齢・人数、夫婦それぞれの収入を基に、金額が算定されます。
4 婚姻費用はいつから支払ってもらえるか
お互いの協議で決まれば、その決まった日から支払ってもらえます。
調停など裁判所を用いる手続きでは、請求したときから、とされるのが通常です。
別居したとき、ではないので、婚姻費用を請求するのであれば、なるべく早く、それも証拠に残る形で(例えば、内容証明郵便や調停の申立書)、請求するのが大切です。
離婚の問題についてはこちら
≪離婚≫養育費を支払ってもらう
離婚をした後、子どもを監護する親は、子どもを監護しない親に対して、子どもを養育するにあたっての費用を請求することができます。
この費用を養育費といいます。
たとえば、生活に必要な経費、教育費、医療費などが含まれます。
特に、女性が親権を取得し、離婚後子どもを監護していくという場合には、経済的に生活していけるかどうか不安という方もおられます。
離婚をするに際しては、その条件として、きちんと養育費について話し合い、決めておくということが重要です。
養育費の額については、夫婦で話し合いをして、それにより合意ができれば、その額が養育費の額として決まります。
お互いの話し合い(離婚協議)で折り合いがつかない場合、離婚調停の中で、額について話し合うことができます。
調停でも折り合いがつかないときは、離婚訴訟をし、裁判官に決めてもらうことになるでしょう。
調停や訴訟では、「養育費算定表」というものを用いて金額を算出することが多いです。
「養育費算定表」では、子供の年齢・人数、夫婦の収入を基に、養育費の額を算出することとなります。
養育費の額が調停や訴訟で決まったのに、養育費を支払ってもらえないという場合には、たとえば、相手方の給料を差し押さえるなどの強制執行をすることが可能です。
離婚についてはこちら
≪離婚≫親権を獲得する方法
未成年の子どもを持つ夫婦が離婚をする際には、父・母のどちらか一方を親権者と定めなければなりません。
財産上の争いであれば、ある程度のところで譲歩をして合意をするということも可能かもしれませんが、親権が争いになる場合、合意ができないケースも少なくありません。
親権とは、親が未成年の子を健全な社会人にするために監護教育する権利・義務をいいます。
その内容としては、未成年の子の財産を管理したり、子の財産上の法律行為を代理したり同意したりする権利・義務(財産管理権)と
子の居住場所を指定したり、子に懲戒・しつけをしたり、子が職業を営むのを許可したりする身上監護権があります。
親権を定めるにあたっては、以下の事情が総合的に考慮され、子の利益、福祉を基準として判断されます。
1 父母のの監護に対する意欲と能力
2 父母のの健康状態
3 父母のの経済状態
4 父母の居住・教育環境
5 従前の監護状況
6 子に対する愛情の程度
7 親族などの援助の可能性
8 子の年齢・性別・兄弟姉妹の関係
9 子の心身の発育状況
10 従来の環境への適応状況
11 環境の変化への適応性
12 子の意向
また、子の利益に合致するかについては、上記のほか以下の事情が言われることがあります。
1 面会交流の許容性
子の成長過程において、別居親とも良好な関係を築けることが子の福祉から重要であることから、相手方との面会交流を認めることができるか、子に相手方の存在を肯定的に伝えることができるかが、親権者としての適格性の判断材料となります。
2 兄弟姉妹の不分離
兄弟姉妹が同一の親の下で生活を送ることは、一般的に、その健全な成長に資するものといえます。
ただ、兄弟を分離することが、子それぞれの最善の利益にかなう場合もあり、兄弟不分離は、子の最善の利益を判断する一要素にすぎないとも言われます。
3 監護開始の違法性
違法な連れ去り行為によって有利な地位を獲得することを許すことは、違法行為を助長する結果となります。
そこで、監護開始の違法性は、親権者としての適格性に疑義を生じさせる事情となるとされます。
4 母性優先
かつては、乳幼児については、母親を優先すべきとする考え方が定着していたこともありましたが、近時は、性別を問わず「主たる監護者」による監護継続の必要性を重視するのが主流になっています
親権を獲得するためには、上記のような事情を主張立証していくいことが大切です。
離婚についてはこちら
≪離婚≫不貞をした側から不貞をされた側への離婚請求(有責配偶者からの離婚請求)
たとえば、夫が不貞行為をしたがために、夫婦関係が悪化したにもかかわらず、その原因を作った夫の側から離婚を求めるということがあります。
一般に、これを有責配偶者からの離婚請求といいます。
当初、判例では、「勝手に愛人をもった夫からの離婚請求が認められるならば、妻は踏んだり蹴ったりである」とし、有責配偶者からの離婚請求を否定していました(最判昭和27年2月19日)。
ところが、その後、最高裁は、
1 夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること
2 未成熟子が存在しないこと
3 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等、離婚請求を認容することが著しく正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと
といった要素を考慮して、有責配偶者からの離婚請求を認めました(最判昭和62年9月2日)。
どの程度の別居期間があれば、上記判例の相当の長期間の別居といえるか、ですが、
別居期間約8年で離婚が認められたケース(最判平成2年11月8日)や別居期間約6年で離婚が認められたケース(東京高判平成14年6月26日)がある一方で、
別居期間8年で離婚が否定されたケース(最判平成元年3月28日)もあり、
この程度の別居期間が、離婚が認められるかどうかの分かれ目といえるかもしれません。
なお、上記の昭和62年の判例では、未成熟子が存在しないこと、を有責配偶者からの離婚請求の要件としていましたが、その後、未成熟子がいる場合(高校2年生)にもかかわらず、有責配偶者からの離婚請求を認める判例も出ており(最判平成6年2月8日)、未成熟子の不存在の要件は、必ずしも必要ではないようにも見受けられます。
離婚についてはこちら
≪離婚≫法律で定められた離婚原因
離婚の調停がまとまらず、それでも離婚をしたい場合は、離婚の裁判を起こすこととなります。
離婚の裁判では、法律で定められた離婚原因を主張することとなります。
具体的には、離婚原因は以下のとおりです。
1 配偶者に不貞行為があったとき
2 配偶者から悪意で遺棄されたとき
3 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5 1~4以外に、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
上記のうちの1つもしくは複数を主張していくこととなります。
離婚についてはこちら
≪離婚≫離婚の話し合い
夫婦で離婚の話し合いがまとまらない場合(協議離婚ができない場合)、いきなり裁判を起こすことはできず、まずは、離婚の調停を申し立てることとなります。
離婚の調停を申し立てる裁判所は、相手方所在地の管轄の家庭裁判所です。
離婚の調停では相手方と同席するということはありません。
自分と相手方が交互に部屋に入り、調停委員を介して話しをすることとなります。
こうして離婚の調停がまとまった場合は、調停離婚成立となりますが、離婚の調停がまとまらなかった場合で、それでも離婚をしたい場合には、離婚の裁判を起こすこととなります。
離婚の裁判では、法律で定められた離婚原因を主張していくこととなります。
離婚についてはこちら