事案の概要
交通事故の被害者が主婦であり、仕事をしていなかった場合、休業損害が出るのでしょうか。
まず、休業損害とは何かですが、休業損害とは、交通事故により働けなくなり、収入が減少した場合の損害をいいます。
そうすると、仕事をしていない主婦が被害者の場合、収入が減少したわけではなさそうですから、休業損害が出ないのではないかとも思えます。
しかし、主婦でも休業損害は出ます。
主婦も、交通事故により家事を行うことができなくなったと考えられるので、休業損害が出るのです。
では、その休業損害の算定方法はどのようなものでしょうか。
これは、自賠責基準か弁護士基準かによって異なります。
まず自賠責基準の場合、
5700円×休業した日数
で計算します。
これに対し、弁護士基準の場合、
基礎収入(1日当たりの基礎収入)×休業した日数
で計算します。
専業主婦の場合は、この1日あたりの基礎収入は、「賃金センサス」というものを用いて、計算されるのが一般的です。
だいたい、基礎収入は、約1万円になるので、自賠責基準よりも弁護士基準の方が高いです。
兼業主婦の場合は、実際に自分が働いて得られる1日の収入の方が「賃金センサス」を用いたものよりも高ければ、この実際に自分が働いて得られる1日の収入が、1日当たりの基礎収入となります。