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注意!連帯保証人の責任は重大(建物賃貸借契約)

2018-08-05
不動産

事案の概要

親戚がアパートを借りることとなり、その連帯保証人になってほしいと頼まれた。

このような方は多々おられるのではないでしょうか。

「金銭を借りる際の連帯保証人ではないから、まあいいか。」と思い、軽い気持ちで連帯保証人となる方もおられます。

ただ、建物借主のために連帯保証人となると、重い責任を負うこととなりかねないので、その点は注意が必要です。まず、建物賃貸借契約の連帯保証人とは、建物賃貸借契約に関して、借主が貸主に対して負担する債務について、借主と連帯して履行する責任を負うものをいいます。この連帯保証人は、借主が負担する賃料について、連帯保証責任を負うのはもちろんですが、それだけではなく、借主の原状回復義務などについても連帯保証責任を負います。賃貸借契約によって借主が貸主に対して負担する一切の債務について、連帯保証責任を負うとされているのです。

「賃貸借契約の期間は2年間だから、連帯保証人の契約期間も2年間ではないのか」

連帯保証人の方からこのような質問をされることがあります。

賃貸借契約の際に、借主のために連帯保証をし、その2年後、貸主と借主は合意をして賃貸借契約を更新したとします。その更新の際、連帯保証人は、更新の契約書に署名・押印をしなかったとします(更新について、知らされていなかったなど)。

このような場合でも、基本的には、更新後の借主の債務について、連帯保証人は債務を負担します。

判例でも、「反対の趣旨をうかがわせるような特段の事情のない限り、保証人は、賃貸人において保証債務の履行を請求することが信義則に反すると認められるような特段の事情がない限り、保証人が更新後の賃貸借から生ずる賃借人の債務についても保証の責めを負う趣旨で合意がされたものと解するのが相当」として、保証人は、特段の事情がない限り、更新後の賃貸借契約についても責任を負うこととされています(最判平成9年11月13日)。

そして、連帯保証人の責任は、上記のとおり、借主が貸主に対して負担する債務一切に及ぶので、借主が建物を明け渡すまで生じる賃料債務(賃貸借契約解除後は賃料相当額の損害金の債務)まで及ぶこととなります。

建物賃貸借契約では、借地借家法により借主が相当保護されていることもあり、貸主が借主に建物を明け渡してもらう際、交渉が難航することもしばしば。

そんな中、貸主としては、「連帯保証人から回収すればいいや」として、賃料が滞っているにもかかわらず、借主に建物明渡しを求めないでいると、連帯保証人の知らないうちに、賃料(賃料相当額の損害金)債務が膨れ上がっている、なんてことにもなりまねません。

仮に月額7万円の賃料が3年間滞納されていたとしたら、7万円×36か月なので、252万円の賃料を連帯保証人は、貸主から請求されるなんてことにもなりかねません(しかも、借主が明け渡さない限り、今後も月額7万円ずつ債務が増えていくこととなります)。

連帯保証人としては、借主に「貸主に支払いをしてくれ」と言っていくこととなるでしょうが、借主が経済的に困窮していることも多く、支払いをすることができないこともあります(最悪の場合には、行方不明となってしまっていることもあります)。

連帯保証人になる際には、借主が本当に支払いをすることができる人かどうかを慎重に検討をする必要があります。

また、借主が明け渡すまで賃料(賃料相当額の損害金)がかかる以上、早期に明け渡してもらえるように、借主の滞納が発覚した際には、「建物を明け渡してもらってください」と粘り強く貸主に要求してくことが大切です。

その上で、貸主と減額の交渉をすることとなるでしょう。

※ 民法改正により、令和2年4月1日から個人が連帯保証人になる場合には、極度額を設定しなければならなくなりました。
連帯保証人は、極度額の範囲でしか責任を負う必要がないこととなりますが、極度額が高く設定されていると、連帯保証人の負担が大きくなる可能性があるので、注意が必要です。

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